・自店舗にあった原価コントロールの方法を探している。
こういった疑問を解決します。
本記事のテーマ
本記事では、原価を下げる11方法を詳しくご説明します。
- クーポン割引率を下げる
- 食材の回転率を高める
- 適正発注をする
- 仕入れ価格を見直す
- 儲け商品(原価の低い商品)を開発する
- ドリンク比率を上げる
- コースやセット比率を上げる
- メニューデザインを見直す
- ポーション量を管理する
- 多店舗展開による一括仕入れ
- メニューの売価を見直す
本記事の信頼性
飲食歴15年
取締役・新店開発部長として(焼肉・居酒屋・バル・カフェ)新店を複数店舗立上げ→若い経営者を応援したい想いから→飲食業コンサルタント
実践で使える知識が大好きです。
原価をただ下げるだけでは、お客様満足度が低下し、結果として売上が下がる
飲食店を経営されている方や、店舗を任されている店長や社員の方は、原価で悩まれている方は多いのではないでしょうか。
お客様満足度をキープしながら、原価を下げる方法が理想だと思います。
自店舗にあった原価を下げる施策のヒントになれば幸いです。
それでは解説していきます。
飲食店の原価を下げる11方法とは
クーポン割引率を下げる
原価を下げる方法としては、最初に手をつけたい施策になると思います。
クーポンに頼って集客すると店舗はどうなっていくのか?
クーポンに頼った集客の負のスパイラル
①クーポンに頼って集客する
②クーポンに飽きて、集客が鈍る
③集客が鈍ると、さらにお得なクーポンを作る
④クーポンに飽きて、集客が鈍る
の繰り返しで、原価がどんどん上がって、利益体質が悪化していきます。
他にも、飲食店の負のスパイラルに陥りやすい、【原価費削減・人件費削減・広告費向上などの、代表的な負のスパイラルからの脱却方法】を解説した記事は最後にご紹介しています。
このように、負のスパイラルに陥って、最後は閉店に追い込まれる店舗も多いです。
クーポンの値引きに頼らない集客方法や本質を改善することが大事です。
食材の回転率を高める
ロスの中で、最も多いものが食材の品質期限がきれてしまうことで起きる、廃棄ロスです。
意外にも原価率の1~2%程は廃棄している店舗は多いです。
金額になおすと、純売上高300万の場合、3万~6万の食材を捨てているとなると、その金額が大きいことが理解できます。
この廃棄ロスを1%未満におさえる努力が大事です。
ロス管理表を作成する
まずはどれくらい自店舗で廃棄ロスをしているか、「ロス管理表」を作成して、廃棄ロスの把握をしましょう。
食材 | 量 | 金額 |
キャベツ | 300g | 60円 |
バイトの方にも簡単に記入できる表が良いと思います。
1か月でもロス管理表を記入していくと、廃棄ロスをしている食材が同じものが案外多いです。
この特定した食材の回転率を高めるか、その食材を使用している商品を無くすか検討しましょう。
1つの商品だけに使用している食材をなるべく減らす
メニュー全体の構成をするなかで、使用している食材を、数点の商品で回すことが大事です。
廃棄ロスを防げることと、食材の鮮度を維持することで、商品クオリティが維持できるメリットがあります。
適正発注をする
売上を予測し、仕入れ量や仕込み量を調整することで、ロス率を減らすことができます。
この売上予測は、人件費シフトを作成する時にも大事な予測になります。
売上予測を正確にする方法を解説した記事は最後にまとめています。
発注ミスによる、食材の廃棄ロスも結構大きいです。
また、営業中に食材がショートして、商品を提供できなくなり、お客様満足度を下げる要因にもなります。
仕入れ価格を見直す
業者交渉と価格競争させる。
業者様も商売をやっていく上で、出来るだけ単価をとりたいのが心情です。
肉、魚、酒など、それぞれ2社以上提携することもありだと思います。
とはいえ、業者様と長くお付き合いすることも、他の店舗が真似できない仕入れルートになる可能性もあります。
仕入れ額が大きいものから単価交渉する
あまり使用していない食材の単価を下げても、原価率の影響はほとんどないです。
最も使用している食材トップ10は、常に意識して交渉する必要があります。
これだけで、原価率の1%以上下げることができると思います。
食材そのものを変更する
食材も絶対にそれを使う必要があるものと、ないものがあります。
お客様満足度の低下が起こらないように、上手に安い食材に変更することも一つの手段です。
儲け商品(原価の低い商品)を開発する
定番商品で原価の低い商品(高出数低原価商品)を開発しましょう。
低原価の商品を作ったところで、出数が低いのでは作った意味がありません。
出数が期待できる、低原価商品を開発しましょう。
とくに、店舗コンセプトにあった商品なら出数も期待できます。
ドリンク比率を上げる
ドリンクの平均原価率は、25%~27%が適正です。(お酒を安く売って高集客を生んでいる居酒屋を除く)
自店舗の原価率からすれば、ドリンクの平均原価は低いのではないでしょうか。
このドリンク比率を少しでも上げることができれば、原価率は下がります。
サービス力を向上させ、ドリンクプッシュでもう一杯オーダーをもらう
ドリンクのお代わりを、さりげなく素敵な笑顔で言われると、もう一杯頼みたくなるのがお客様の心情です。
ファミリーで来店した、お父さんは、もう一杯飲みたいのではないでしょうか(笑)
飲み放題の比率を上げる
飲み放題を実施している店舗は、ファーストトーク(オーダーと取る前のトーク)で、「飲み放題が〇杯以上でお得ですよ」と伝えるだけで、飲み放題比率は上がります。
客単価も上がりますし、売上の向上にも繋がります。
ドリンク原価の低い商品を開発する
ドリンクの商品開発をして、期間限定や別メニュー、おすすすめして売りましょう。
生ビールの原価は高いので、2杯目から違うアルコールメニューに移ってもらうだけで、原価を下げることができます。
コースやセットの比率を上げる
コースやセットの魅力
- お客様側からすれば、少しずつ色々な商品が食べられてお得
- お店側からすれば、低原価の商品も混ぜることができる
コースやセットを作る時に、自店舗の原価率よりも、少し低い原価率設定(2%~3%程低い設定)をすることをおすすめします。
こうすることで、コースやセットの出数が増えれば、原価率を下げることができます。
メニューデザインを見直す
メニューデザイン次第で、最も原価率を下げることができる施策ではないでしょうか。
メニューデザインを見直すポイント
①儲け商品の出数が上がるようにメニュー導線を高める。
②ドリンク比率が上がるようにメニューデザインを高める。
③コースやセット比率が上がるようにメニュー導線を高める。
サービス力の向上だけでなく、メニューで、お客様を上手に誘導して、「売りたい商品を売る」デザインにすることが大事です。
メニュー構成やデザインについて詳しく解説した記事は、最後にまとめています。
ポーション量を管理する
簡易レシピ表を作成し、調理者にポーション量を徹底することで、オーバーポーション(規定量より多い量)を防げます。
アイドルタイム(暇な時間帯)は、規定量を量り、体感して量を覚えてもらいましょう。
多店舗展開による一括仕入れ
お店を経営していくことで、同業態のお店を多店舗化していくと、最も恩恵を得られるのが、原価仕入れです。
業者交渉も、会社単位だと有利に働きます。
セントラルキッチンでの一括仕入れは、原価額だけで、セントラルキッチンの維持費をまかなう金額になると思います。
ここまで会社が成長すると、原価仕入れは楽になります。
メニューの売価を見直す
売価を上げることは、お客様満足度の低下を招くおそれがあるため、できればしたくない施策です。
とはいえ、食材の価格が上がり続けているものでは、売価を上げる必要に迫られている商品もあると思います。
付加価値をお客様にメニューデザインで伝えながら、売価を上げることをおすすめします。
難易度は高いですが、単品売価をあげて、コースやセットをお得に感じてもらい、コース比率を上げる戦略もあります。
経営者様にとって一番判断が難しいのが売価設定ではないでしょうか。
以上どうだったでしょうか?
今回ご紹介した、原価を下げる11方法は、お店でできる施策をほとんど網羅していると思います。
最後に、関連記事をまとめています。
ご興味があれば、こちらの記事もどうぞ。
飲食店の負のスパイラルに陥りやすい、【原価費削減・人件費削減・広告費向上などの、代表的な負のスパイラルからの脱却方法】を解説した記事はこちら。
売上予測を正確にする方法を解説した記事はこちら。
メニュー構成やデザインについて詳しく解説した記事はこちら。