- 届け出を一覧で、教えてほしい!
- 届け出の書き方を、教えて欲しい!
- 届け出を出すタイミングは?
こういった疑問を解決します。
本記事のテーマ
飲食店を開業する時の、届け出を知りたい方へ。
本記事では、飲食店の開業に必要な届け出【5種類を図で、一覧にして説明します】
申込場所や、時期や条件を詳しく解説しています。
本記事の信頼性
飲食歴15年
取締役・新店開発部長として(焼肉・居酒屋・バル・カフェ)新店を複数店舗立上げ→若い経営者を応援したい想いから→飲食業コンサルタント
実践で使える知識が大好きです。
1.飲食店の開業に必要な届け出とは?
「食品営業許可」、「開廃業等届出書」、「青色申告承認申請書」、「防火管理者選任届」、「深夜における酒類提供飲食営業開始届出書」
おもに、上記5種類の届け出が、条件につき必須になります。
では一覧にして、時期や条件をみていきましょう。
1-1.飲食店の開業に必要な届け出【5種類を図で説明します】
届け出の種類 | 申込場所 | 時期 | 条件 |
食品営業許可 | 保健所 | 開業日の2週間前頃 | 必須 |
開廃業等届出書 | 税務署 | 開業から1か月以内 | 任意 ※出すべき |
青色申告承認申請書 | 税務署 | 開業から2か月以内 | 任意 ※出すべき |
防火管理者選任届 | 消防署 | 開業日の前日まで | 収容人数が30名以上の場合 |
深夜における酒類提供飲食営業開始届出書 | 警察署 | 開業日の10日前まで | 午前0時以降に、お酒の提供をする場合 |
2.食品営業許可とは?
食品衛生法(昭和22年法律第233号)(抄)
第51条〔営業施設の基準〕
1 都道府県は、飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業(中略)であつて、政令で定めるものの施設につき、条例で、業種別に、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。
引用:厚生労働省
食品営業許可は、開業に必須な届け出です。
もし、未許可で、営業していた場合。
食品衛生法に反し、2年以下の懲役または、200万円以下の罰金が課せられます。
営業許可の取得までの流れ
2-1.食品衛生責任者の資格
まず前提として、食品衛生責任者の資格が必要です。
申請から、講習を受けるまで、1~2か月はかかるので、早めに受講しましょう。
食品衛生責任者の資格、講習の申し方などを、詳しく説明した記事は、最後にまとめています。
2-2.事前相談
出店エリアの保健所の窓口に、事前相談に行きましょう。
なぜなら、施設の基準が決められており、基準に合格しないと、営業許可がおりません。
必ず、工事着工前に、工事図面をもって、相談しましょう。
施設の基準を詳しく記載されたページはこちら。
[st-card-ex url=”https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/eigyounavi/flow/regulation/” target=”_blank” rel=”nofollow” label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”続きを見る”]
なかなか細かいです。
相談時に、親切に教えてくれると思います。
提出書類も一式、貰いましょう。
また、開業予定日も相談しておきましょう。
検査後から、営業許可書が届くまで、時間がかかります。
前もって開業日を相談して、相談員に段取りをして貰いましょう。
2-3.営業許可申請(書類の提出)
工事完了の10日程前には、書類を提出しましょう。
必要なモノとは?
書類の書き方は?
「営業許可申請書」、「営業設備の大要」、「配置図」の書き方、記入例はこちらのページです。
[st-card-ex url=”https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/eigyounavi/flow/application/” target=”_blank” rel=”nofollow” label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”続きを見る”]
2-4.施設検査の打合せ
申込した日に、担当者の方と、施設の確認検査の日を相談しましょう。
水道や電気の検査もありますので、工事完了の引渡し日がおすすめです。
2-5.施設の確認検査
施設が基準に合致しているか、保健所の担当者が、検査します。
立ち合いは、営業者(従業員でもOK)が、立ち会いましょう。
また、基準に適合していない場合は、その場で改善箇所を求められます。
改善後、再検査を受ける必要があります。
基準に合致がしていることが確認できれば、その場で、「営業許可書交付予定日のお知らせ」を交付して貰えます。
2-6.営業許可書の交付
交付予定日に、「営業許可書交付予定日のお知らせ」と、捺印を持って、保健所の窓口に行き、営業許可書を貰いましょう。
営業許可書の交付には、施設の検査合格から、数日の時間を要します。
営業許可書が届いてからはじめて、開業することができるので、開業予定日は、早めに窓口で相談しておきましょう。
2-7.営業開始
営業許可書が手元に届けば、ようやく営業開始ができます。
食品衛生責任者の名札(プレート)を、客席から見える位置(レジの後方)に、設置しましょう。
どうだったでしょうか?
施設の基準に、合致した工事でないと、後々、改善工事や、開業日の見直しなど、後手に回ることになります。
この基準を熟知している、施工会社に依頼することを、おすすめします。
3.開廃業等届出書とは?
新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき又は事業を廃止したときの手続です。
引用:国税庁
個人事業の開業を、税務署に申告する書類です。
実は、この開廃業等届出書、出さなくても罰則はありません。
事業所得に応じて、税務署から、通知が来ます。
税務署に、営業を隠すことは、不可能です。
ではなぜ、この開廃業等届出書は、存在するのか?
3-1.開廃業等届出書を提出する理由!
開廃業等届出書を提出すれば、次のテーマである、青色申告承認申請書を提出することが出来るからです。
この青色申告承認申請書とは、後で詳しく説明しますが、提出することで、年間最大65万円の所得控除(利益-65万円)が貰えます。
出さないと、所得税を丸々、支払うことになります。
65万円の控除は、経営者にとって、かなり大きな額になります。
開廃業等届出書は、青色申告承認申請書と一緒に、是非提出しましょう。
4.青色申告承認申請書とは?
個人事業主は、2~3月の確定申告で、「白色申告」または、「青色申告」をしなければなりません。
この青色申告承認申請書を開業日から、2か月以内に提出することで、はじめて「青色申告」をすることができます。
青色申告を受け取ってもらうための書類です。
4-1.白色申告と青色申告とは、どんなメリット・デメリットがあるの?【簡単に説明します。】
- 白色申告は、わりと簡単な書類で、簡易的な「単式簿記」になります。
しかし、控除のメリットがまったく、ありません。
また、銀行からの借り入れも、白色申告では、不透明なことも多く、信用にかけることもあるようです。
- 青色申告は、かなり複雑で、経理経験がないと、なかなか作れない書類です。
「複式簿記」と呼ばれ、・現金出納帳・預金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・仕訳帳・総勘定元帳が必要になります。
なんのこっちゃわからないと思います。
この申告があるからこそ、税理士が存在すると言ってもいいでしょう。
青色申告のメリットは?
・65万円の所得控除
・赤字を3年間の繰り越しができ、黒字が出たときに相殺することができる。(これもめちゃくちゃ大きなメリットです。)
等、色々あります。
毎日の売上、経費を入力するだけで、自動で、複式簿記を作成してくれて、青色申告用紙を作ってくれます。
経営者にとっても、数値管理は大切な業務だと思いますが、帳簿をつけるのは、正直しんどいと思います。
同時に管理できるので、時間短縮も嬉しいですし、税理士を雇うより、めちゃくちゃ安く済みます。
開廃業等届出書、青色申告承認申請書も、質問に答えるだけで、簡単に作成してくれます。
飲食店の開業に最強の「会計ソフトfreee」を詳しく解説した記事はこちら。
5.防火管理者選任届とは?
収容人数が30名以上(従業員を含む)の場合、必要な書類です。
提出がなかった場合、管轄の消防署から、指導が入ります。
指導にも関わらず、改善が見られない場合、懲役と罰則が待っています。
まず前提として、防災管理者の資格が必要です。
講習を受けるだけで、資格が貰えますので、早めに講習を受講しましょう。
防災管理者の資格の講習の申し方などを、詳しく説明した記事は、最後にまとめています。
開業日前日までに、管轄の消防署に、防災管理講習修了証と、捺印を持って、窓口に行きましょう。
届け出は、窓口で簡単に記入できる書類です。
6.深夜における酒類提供飲食営業開始届出書とは?
午前0時以降に、お酒の提供をする場合に、必要な書類です。
業態別では、バーや居酒屋が、該当します。
食事がメインの業態は、必要ありません。
開業日10日前までに、管轄の警察署に、「深夜における酒類提供飲食営業開始届出書」を提出しましょう。
簡単に言いましたが、この届け出は、実は、めちゃくちゃ難易度が高い書類です。
自力での作成は、かなり難しいと思います。
おすすめは、行政書士に依頼しましょう。
どうだったでしょうか?
届け出を提出するだけでも、かなり時間がとられると思います。
物件取得からのスケジュールは、かなりタイトですから、準備しておくといいでしょう。
最後に、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つの資格を、詳しく解説した記事はこちら。