- 図面を作る時に気をつけるポイントは?
- レイアウトを考えたんだけど、このあとどうすればいいの?
こういった疑問を解決します。
本記事のテーマ
飲食店の厨房レイアウトの作り方【繁盛店の効率の良い図面とは】
効率の良い図面の作り方と導線を考える、基礎的な知識をご説明します。
実際に図面作成から、厨房完成までの流れも理解でます。
本記事の信頼性
飲食歴15年
取締役・新店開発部長として(焼肉・居酒屋・バル・カフェ)新店を複数店舗立上げ→若い経営者を応援したい想いから→飲食業コンサルタント
実践で使える知識が大好きです。
1.繁盛店が必ず意識する、効率の良い厨房とは?
繁盛店のお店は、お客様満足度を高めるためと、人件費を圧縮するために、厨房のレイアウトを研究しています。
まずは、効率の良い図面を作るために、重要な概念、飲食店の「スピード」に関して、説明します。
お客様満足度を大きく下げる3つのスピードとは?【簡単に説明します。】
- 案内スピード
来店から席までの案内時間。 - 提供スピード
商品を提供するまでの時間。 - 接客対応スピード
お客様に呼ばれて、対応するまでの時間。
この3つの時間が長ければ、お客様満足度を大きく低下させます。
時間を減らすために重要な、お店全体の導線を、意識する必要があります。
導線は大きく3つに分かれます。
意識する3つの導線とは?
- 人の作業導線
- 食材の移動導線
- 食器の移動導線
レイアウトを作る3ステップ【効率の良い作業導線とは?】
step
1お店の中心に、デシャップ(完成商品を置く場所)を設置する。
デシャップがお店の端にある場合、端の客席までの導線距離が長く、提供スピードをロスしています。
とはいえ、客席からの見栄えも考慮する必要があるので、効率とデザインとの天秤になると思います。できる範囲での、お店の中心でOKです。
step
2調理回数の多いポジションを、デシャップの近くに設置する。
出数が多い商品の調理ポジションは、デシャップとの往復が一番多いポジションです。
この距離が近いだけで、作業効率があがります。
とはいえ、メイン商品の見せる調理ポジションがある場合は、どの客席からも見える場所に設置する必要があります。
「メイン商品の調理ポジション=出数が多いポジション」にすることが大事です。
メインポジションに立つ方は、能力者でもあると思います。
全体を見渡せるポジションに立つことで、店舗全体の把握や、指示だしなどの、作業効率を高める効果があります。
居酒屋などのドリンクの出数が多い業態は、ドリンクを作るポジションを、デシャップの近くに設置するといいでしょう。
step
3洗い場を、厨房と、客席の中心に設置する。
洗い場こそ中心に設置したいところですが、洗浄機の音や、食器同士があたる音や、見栄えなど、見せたくないポジションですので、ぶっちゃけて、無理です。
とはいえ、食器の導線を意識することは大事です。
3つのステップで、およそ厨房機器の配置イメージがつくと思います。
導線が多いポジションから優先順位をつけて、店舗の中心から端に配置していくイメージです。
ポジションごとの食器や、調理道具の配置も、冷蔵庫内の食材も、使用する頻度が高い順に、取りやすい位置に置きましょう。
2.必要な厨房機器は、メニュー内容で決まる
お客様の来店の目的は、商品に対して、求められることが、一番多いです。
商品へのこだわりが、お客様に伝わってはじめて、繁盛店になります。
メニューに対しての考え方を、補足説明しておきます。
メニューに対しての考え方とは?【簡単に説明します。】
- 集客商品
原価率が高く、誰もが好きな商品で、なおかつ他の飲食店では、味わえない差別化された商品です。
一般的には、メインメニューです。 - 儲け商品
集客商品に対して、原価率が低く、人気商品です。
一般的には、サイドメニューです。 - 嗜好商品
好きな人が好きな商品で、チーズ、玉子、辛い、お子様向けなど、出数関係なく、ハマる商品です。 - 定番商品
メニュー全体を構成した時に、バランスをみて、必要性のある商品です。
メニュー構成ができたら、必要な厨房機器が決まると思います。
ここで、もう一度考えてもらいたいのは、店舗全体の広さに対しての厨房の適正の広さです。
限られたスペースでは、使いたい厨房機器が、設置できない可能性があります。
では、厨房の適正の広さとはどれくらいなのでしょうか?
業態ごとの厨房の適正な広さとは?【店舗全体の広さに対して】
居酒屋 20%~25%
焼肉 20%前後
ラーメン店 25%前後
和食料理 25%前後
洋食料理 25%~30%前後
カフェ 20%前後
あくまで目安にして下さい。
2層からなるフロアだったり、店舗の形が縦長だったりで、適正から外れる店舗もあると思います。
実際に図面を引いてみて、厨房機器が設置できるかどうか確認しながら、メニュー構成をもう一度見直す必要があります。
では、無料で図面を作る方法を説明します。
3.無料で図面を作る方法とは?
有名メーカー(丸善、タニコー等)に依頼する。
最も一般的で、仕事が早く、無料で図面を作成してくれます。
厨房の配置は、数センチで決まったりします。
図面作成プロに依頼することで、確実性が高まります。
また同時に、開業に必要な見積依頼もできる、メリットもあります。
自分で作成するのはおすすめしません。
また、町の厨房屋さんもありです。
中古の機器を安く提案してくれるメリットもあります。
4.厨房図面から見積を依頼、実際に設置するまでの7ステップ
step
1メニューを構成する。
集客商品・儲け商品・嗜好商品・定番商品を意識しながら、メニューを構成しましょう。
step
2必要な厨房機器を考えて、配置をイメージする。
メニュー構成から、必要な厨房機器を導線を考えながら、配置をイメージしていきましょう。
step
3メーカーにイメージを伝え、図面を作成してもらう。
メーカーと話し合い、細かく厨房の配置イメージを伝えましょう。
また、ガス工事、水道工事、電気工事も一緒に相談しましょう。
step
4見積依頼をかける。
見積依頼をかける際には、新古品はないか、探してもらいましょう。
また、居抜き物件で、すでにある機器は、一度メンテナンスにだしましょう。
融資が必要な場合は、早めに見積を貰いましょう。
忙しいですが、融資相談と同時期になります。
step
5同じ型の寸法で、中古品などをネットで購入する。
中古品でも良い機器は、ネットで購入したほうが安くなることもあります。
ネットで購入した機器は、メーカーに必ず伝え、必要な機器だけメーカーから購入しましょう。
step
6メーカーと搬入日時を相談する。
融資が決定する時期と、厨房の水道、ガス、電気工事が完了する時期をみて、搬入日時を決めましょう。
また、自分達で設置をお手伝いすることをメーカーに伝えることで、設置工賃費を抑える交渉ができます。
step
7自分で購入した厨房機器も一緒に設置してもらう。
厨房の釣り棚も、一緒に設置してもらいましょう。
設置のプロなので、強度を考えながら棚も設置してくれます。
上記が設置までの流れとなります。
メーカーとのお付き合いは、経営上必須です。
機器の破損や壊れた時に、頼りになります。
以上になります。
自分で考えた、効率の良い厨房図面が、実際に形になれば幸いです。