こういった疑問を解決します。
本記事のテーマ
本記事では、繁盛店がメニュー構成に共通して意識しているポイントをまとめています。
法則にのっとり計算することで、繁盛店にしていく方法が理解できます。
本記事の信頼性
飲食歴15年
取締役・新店開発部長として(焼肉・居酒屋・バル・カフェ)新店を複数店舗立上げ→若い経営者を応援したい想いから→飲食業コンサルタント
実践で使える知識が大好きです。
飲食店にとってのメニューは命そのもの
飲食店を開業するにあたって、メニューの構成を悩まれる方がほとんどではないでしょうか。
繁盛店の共通しているポイントを押さえて、自店舗で活かしていただけると幸いです。
繁盛店メニューのポイント
適正メニュー数はどれくらいなのか
もちろん業態によって適正メニュー数はかわってきますが、繁盛店の適正メニュー数は、30~50点程です。
ここで大事なのは、多くても少なくてもデメリットがあります。
メニュー数が多い場合のデメリット
①生産性の低下により、人件費があがる。
メニューが多くなると、キッチンのポジションの数が増え、結果として人件費があがります。
②食材回転数が落ちて、ロスが生まれる。
あまり頼まれない商品や、その商品にしか使用していない食材は、ロスまたは、鮮度が落ちてクオリティが落ちます。
③なんでも屋になってしまうと、お客様にお店の魅力が伝わりにくい。
お客様の目的意識は、あの店のあの商品を食べたいから来店します。
なんでもあると目的意識が弱くなり、結果として印象に残らないお店になります。
現在、お店を営業されている方も、上記にあてはまることがあれば、メニューの絞り込みが必要です。
営業をしていく中で、常連様に頼まれて商品を増やしたり、商品開発をして増やしたりと、増える一方のメニューになりがちです。
増やすと同時に、メニュー数を減らす勇気が必要です。
メニュー数が少ない場合のデメリット
①お客様に飽きられ、来店頻度が落ちる。
お客様が来店する度に同じ商品だけしかないと、飽きがきて、結果として来店頻度が落ちます。
②頼みたい商品がなく、平均組客数が落ちる。
社会人の飲み会や、家族での食事などの様々なシーンがありますが、その中の一人でも頼みたい商品がないとなると、次からそのお客様の来店はありません。結果として一組あたりの平均客数が落ちます。
最近、見ない常連様がいると、上記にあてはまっていることがあります。
商品開発を行い、現状のメニューをブラッシュアップしていく必要があります。
では理想のメニュー構成のポイントを押さえましょう。
理想のメニュー構成とは
看板(名物)商品・定番商品・嗜好商品・季節(企画)商品がバランスよくあることです。
看板(名物)商品とは
- お店の集客商品で、原価も高く、お客様にお得に感じてもらい、圧倒的に満足度の高い商品です。
定番商品とは
- 必要ある商品で、居酒屋でいう枝豆みたいなもので、スピード商品(提供までが早い商品)・儲け商品(原価の低い商品)です。
嗜好商品とは
- 出数が少ないものの、それを食べるとお店のファンになってしまう商品で、辛い・玉子・チーズ・お子様など、ある特定の方に向けての商品です。
季節(企画)商品とは
- グランドメニューとは別に、期間限定で販売する商品で、季節メニューや○○フェアーなど、差し込みメニューで、お客様を飽きをこさせない商品です。
必要最低限のメニュー数で店舗が成り立てば、それが最強
街の小さな焼鳥屋の繁盛店が個人的には理想です。
串が10点とおつまみ3点、ごはんもの3点、季節メニュー5点、計21点で繁盛店になれるのであれば、それが最強だと思います。
ポイント
・生産性が高い
・人件費が低い
・食材管理が楽ちんで、ロスがない
・名物の地鶏商品が圧倒的に安く感じる
・定番の皮串が原価も低く、出数も多く、原価圧縮になる
・季節メニューで飽きをこさせなく、いつも常連様であふれている
極端な例ですが、必要最低限のメニュー数で店舗が成り立つように、繁盛店は計算しています。
コンセプトに沿ったメニュー構成
長く営業を続けていくと、コンセプトが曖昧になり、先ほどのべた、なんでも屋になりがちです。
飽和状態の飲食業では、お客様にわかりやすく、口コミしやすい店舗が求められています。
商品開発をするにしても、繁盛店では、まず戦略的にコンセプトを見直して、だからこの商品を開発するといった過程があります。
思い付きや、トレンドをおっかける商品開発では、お店のコンセプトがブレてきます。
あくまで、店舗コンセプトがお客様に伝わるメニューを意識しましょう。
それでは、メニューデザインのポイントを押さえましょう。
メニューデザインのポイント3つ
ZLNの法則
メニューの向きが左から始まる場合は、
お客様の目線はZまたは、Lの動きでメニューを読みます。
メニューの向きが右から始まる場合は、
お客様の目線はNの右上からメニューを読みます。
例えば、左から始まる場合は、図のように
名物⇒頼んで欲しいおつまみ⇒頼んで欲しいサラダ⇒頼んで欲しいごはんもの
という形で、各カテゴリーから順番に頼んでもらいやすいデザインがこの法則です。
お客様も自然と頼みやすく、迷わないメニューデザインが最強
ストレスなく、お客様がメニューを頼めるデザインが理想です。
また、オーダーを聞いている時間が削減できます。
カテゴリー3つの法則
ひとつのカテゴリーからたくさんの商品が並んでいた場合、どれにしようかお客様が悩まれます。
カテゴリーが1つの商品しかない場合は成り立たないですし、選択肢が2つだと、心理的に選びにくく、選択肢3つが一番ストレスなく選びやすいとされています。
これは値付けも同様で、松・竹・梅で、値段が上がっていく場合に、竹が選ばれやすい心理と同じです。
この心理テクニックを使って、一番売りたい商品を真ん中の竹に置くことで、メニュー導線を繁盛店は計算しています。
また、名物マークやおすすめマークを売りたい商品につけることで、頼みやすくするデザインもありです。
メニューミックスで原価を安定させる
名物商品の原価は、圧倒的に集客するために高めに設定します。
そこで、原価を安定させるために、原価の低い、定番商品・儲け商品を頼んでもらえるデザインにしましょう。
ドリンクも含めて、理想の原価に近づけるように、メニュー構成、デザインを繁盛店は意識しています。
以上どうだったでしょうか?
この記事では細かく触れていませんが、メニューの名前に「形容詞・食感・産地・調理方法」をいれて付加価値をつけたり、商品ストーリー(物語)をつけて付加価値をつけたりと、繁盛店は付加価値をつけることで、100円でも高く売価をつける意識をもっています。
また、メニューをブラッシュアップさせるABC分析方法もあります。
メニューにはポイントがたくさんあるので、他の記事で紹介できれば幸いです。