
- 物件を探すコツを教えて。
- 物件を取得するまでの流れを教えて。
- 物件を見るポイントを教えて。
こういった疑問を解決します。
本記事のテーマ
飲食店の物件を探すコツや、良い物件を見つける方法を説明します。
この記事で、理想の物件に出会えれば、幸いです。
本記事の信頼性
飲食歴15年
取締役・新店開発部長として(焼肉・居酒屋・バル・カフェ)新店を複数店舗立上げ→若い経営者を応援したい想いから→飲食業コンサルタント
実践で使える知識が大好きです。
1.物件取得までの流れ
まずは、自分がどんなお店を開業したいか、想像しましょう。
居酒屋、焼肉、ラーメン、和食料理、カフェ、洋食料理、パン、うどん屋等、どんな業態でしょうか?
想像ができたら、実際にコンセプトを作成しましょう。
1-1.コンセプトの作成
コンセプトは、飲食店を開業するには、必須です。
どういった場所で、どのようなお客様層をターゲットにするのか?
どのような雰囲気で、どのような商品を、どのような接客で提供するのか?
このコンセプトを明確化することで、希望物件の条件が見えてきます。
また、物件を探す際の指標になり、物件を取得する際の、決断ができるようになります。
詳しくコンセプトの作り方を説明した、関連記事は、最後にまとめています。
1-2.希望条件の明確化
コンセプトが作成できたら、希望条件をさらに、明確化していきましょう。
物件を探す際に、自分だけでなく、情報を提供してもらえる、協力者をつくることが大切です。
協力者に、希望条件を詳しく伝えることで、情報を絞り、探しやすくなります。
条件の3つのポイント
- 立地条件
- お店の広さと賃料の条件
- 居抜き・スケルトンの条件
ひとつずつ、説明していきます。
立地条件とは?
コンセプトで、具体的なターゲット層が想像できたと思います。
そのターゲット層の、来店見込みがある、立地にしましょう。
例えばですが、
社会人⇒オフィス街がある駅前
学生⇒大学がある近く
ファミリー層⇒住宅街に面した大通り
など、あります。
また、ターゲット層が通る導線も、意識しましょう。
ターゲットが社会人なら、オフィス街と駅前の、通勤する導線を調べて、あまりにも離れた立地は、集客が難しくなります。
お店の広さと賃料の条件とは?
イメージしている広さと、家賃の条件を数字で、具体化していきましょう。
業態によって異なりますが、
一般的に1坪で、1.5席~2席程の客席がとれます。
つまり、20坪の物件だと、およそ30席~40席程、客席がとれます。
「席数」×10万=月商売上が、繁盛店の基準です。
また家賃の売上構成比率は、10%以内が理想です。
つまり、20坪の物件で、40席とれた場合、
月商400万×10%=家賃40万まで、
家賃40万÷20坪=坪単価2万
の物件なら開業可能、といった数値になります。
あくまで参考になります。



想定の坪単価を計算して、明確化しましょう。
居抜き・スケルトンの条件
- 居抜き物件は、内装や設備がある物件です。
- スケルトンの物件は、内装や設備がない物件です。
はじめての開業の場合は、居抜き物件を、強くおすすめします。
開業費用を、抑えることができるからです。
できれば、これから開業する業態と、居抜き物件の前の業態が近いほうが、使える設備も多く、さらに費用が抑えられます。
開業資金に余裕があり、自由にイメージした内装や設備を投資したい場合は、スケルトンの物件の方が、解体費用を抑えられます。
3つの条件を明確化することで、自分が探す物件の条件が見えたと思います。
また、100点の物件を見つけることはなかなかできません。
条件の範囲を広げ、ゆずれる範囲と、ゆずれない範囲を明確化することもおすすめです。
1-3.物件を探す
物件には、実は裏物件が存在します。
裏物件とはなにか?
裏物件とは、飲食店様が閉店する際に、現状の設備をできれば売却したいのです。
また、解体するのにも費用がかかります。その解体費用も抑えたいのです。
そこで、知り合いや、業者に依頼して、閉店する前に、次の借主を探します。
次の借主との譲渡費用など話し合い、物件を手放します。
この流れで、ほとんど物件は決まります。
つまり表に出ている物件、WEB情報にある物件は、売れ残りなのです。
裏物件の情報を取得するには?
業者と仲良くなる必要があります。
中でも、おすすめが、「酒屋」「ビールメーカー」です。
酒屋、ビールメーカーは、閉店のお店があると、納品量が落ちます。
そこで、物件を紹介することで、自社の商品を使ってくれることで、WIN-WINが取れます。
ですので、裏物件の情報はシビアに収集しています。
不動産よりも、一歩二歩、早く情報をもっています。
先に物件の情報をとれるかどうかで、取得率は変わります。
物件情報にはスピードが要です。
この関係を築けるように、行動しましょう。
表の物件の探し方のコツは?
物件は、見れば見るほど、エリアの賃料相場感や、駅や町のターゲット層、競合店など、勉強になります。
すると、ここは安い、ここは高いなど、目が肥えてきますので、物件を取得する際に、適切な決断ができるようになります。
気になる物件は、積極的に内見しましょう。
①WEBで物件情報を収集する。
「飲食店」×「物件」×「地域」で検索をかければ、様々なサイトがあります。
相場感を知るためにも、サイトに登録しましょう。
②街の不動産を周る。
街の不動産に、物件の条件を伝えて、探して貰うのもありです。
不動産が、情報を選査して、物件情報を提示してくれるので、自分で探すよりも、精度が高い物件情報が得られます。
③自分の足で、理想の立地条件を周る。
空いている物件は、街を歩けば見つかります。
空き物件のシャッターなどに、管理不動産の看板があるので、そこから情報を得ましょう。
物件を探す作業は、かなり大変ですが、簡単に移転できないため、妥協ができません。
ですから、時間をかけて、いくつも物件を内見しましょう。
1-4.内見をする
実際に気になった物件を内見させてもらいましょう。
内見をする時のチェックするポイントは?
外見のチェック
間口の広さをチェックしましょう。
広ければ広いほど、お客様から目につきやすい店構えは、大きな加点対象です。
空中店舗の場合は、看板の大きさや、1Fの入り口における、看板サイズなどチェックしましょう。
店の形や大きさのチェック
入口位置や、形など、店が回しやすい大きさなど、オープン後を想像しながら、チェックしましょう。
機器のチェック
現状の厨房機器、ガス水道機器、エアコン機器、吸排気機器、家具など、使えるものと使えないものとチェックしましょう。
使えないものが多いと、自分で廃棄した場合、余計な出費となります。
排水のチェック
グリストラップの大きさや、下水があるのか等、オープン後に出る、脂の量に対しての、排水設備はきちんとチェックしましょう。
やり替えとなると、100万以上の出費がかかるかもしれません。
現在営業中の裏物件の内見は、現オーナー様に気を使いながら、写真撮影の許可を貰って下さい。
また、その物件情報を、聞ける範囲で、収集するチャンスでもあります。
・どんな客層が来店するのか?
・店の前はどんな層が歩いているのか?
・平日と週末の状況はどうなのか?
・近隣で集客している店舗はあるのか?
真摯にお願いすれば、親身になって教えてくださると思います。
1-5.契約書の確認
特に確認すべきは、普通借家契約であるか、定期借家契約であるかです。
定期借家契約の場合、契約期間の満了時に、契約更新できない可能性がある物件です。
例えば、3年後にビルの改築が決まっているなど、理由があります。
投資が回収できないまま、閉店にならないように、しっかり確認しましょう。
また、借主と貸主が平等な契約であるか、確認しましょう。
詳しい方に見て貰うのもありです。
融資を貰う場合、この賃貸契約書が必要です。
忙しいですが、同時に融資申し込みしましょう。
1-6.申し込み
入居の申し込み後、審査があります。
貸主も、信用できる人物と事業に貸したいと考えています。
必要があれば、事業計画書やコンセプトなど、提出しましょう。
また、熱意も伝わる書類にしましょう。
審査が通れば、契約書に捺印を押して、以下の書類が必要です。
個人なら、契約者の住民票、印鑑証明書、身分証明書、収入証明書が必要です。
また連帯保証人を求められることもあります。
連帯保証人の住民票、印鑑証明書、身分証明書、収入証明書が必要です。
以上で物件取得できます。
どうだったでしょうか?
物件の探し方のコツや、ポイントを説明してきましたが、
物件取得は、タイミングや運など必要になるかもしれません。



適切な物件取得できて、繁盛店になれば幸いです。
詳しくコンセプトの作り方を説明した記事はこちら。

